根本的な解決にならない公営住宅の制度改変

2011-12-30

一九六九年の法改正時に繰り返された。政府は高額所得者に対する「明け渡し請求」の必要性を「入居後所得が上昇し相当な高額の収入を得るに至った者が引き続き入居している現状であります。このようなことは、住宅に困窮する低額所得者が、多数公営住宅に入居を希望している現状より見まして、著しく公平を欠く」という観点から説明した。これに対する野党の反論は「少々収入が上がったからといって明け渡しをさしてそして他の者を入れるというようなこそくの手段ではなくて、根本的には、さっきも言いましたように、全体戸数を早くどうやってつくり上げるかということになければいかぬわけなんですよ」というものであった。

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公営住宅の制度改変は、「公営住宅が対象とする住宅に困窮する低額所得者を縮小することで需給バランスをとること、ひいては公営住宅供給の限定を法的に正当づけようとする」意図にもとづいていた。そして「低所得者が公営住宅に入れなくて困っているのは、根本的には公営住宅の供給が需要に比べて少ないからであって、現入居者が頑張っているからではない。公営住宅の絶対数を動かさないで、その中で人間を入れかえてみても、住宅問題は本質的に解決しないことは明らか」であった(渡辺一九六二〜六五)。