ユニクロ、しまむら。この2強とて「資本の論理」の脅威から免れるわけにはいかない。特に近年は「世界の資本」が虎視沈々とわが国の優良企業に狙いを定めている。たとえばセブン&アイ・ホールディングス。周知のようにセブン・イレブンとイトーヨーカ堂、外食のデニーズが経営統合し、さらに(そごうと西武百貨店が合併した)ミレニアムリテイリングが加わった。経営統合が実現した背景の1つに、各社が買収のリスクから逃れたかったというのがある。たしかにセブン&アイの現在の時価総額は、流通界ダントツ首位の3兆7549億円(06年10月13日終値ベース)。これではいかに巨大な世界資本とてちょっと手は出せまい。一方、ファーストリテイリングの時価総額は1兆1922億円(同)で、専門店界売上首位のヤマダ電機(1兆639億円。同)のそれを大きく上回る。しまむらの時価総額も4161億円(同)と、伊勢丹など大手百貨店と肩を並べる水準。両社とも業界を代表する高株価企業であり、逆に買収(を狙う)側のリスクはそれだけ高くなる。言い換えれば投資の妙味が少ない。さらにその投資魅力を低めているのは、両社がオンリーワン型の企業・業態であることだ。どういうことだろうか。両社は他にない独自の型を持つオンリーワンだからこそ、競合を寄せつけない圧倒的な独り勝ち企業として君臨している。そしてそれを支える経営と事業運営にはきわめて高度な技術とノウハウ、そして理念を要する。外部資本によるお手軽な経営コントロールなど、この両社に関しては実質的にまず不可能だろう。それに対して、たとえばコンビニや食品スーパー、GMSやホームセンター、あるいは(先頃フタタ買収を巡りアオキインターナショナルとコナカが争った)郊外紳士服店など、同じ業界内に複数企業が何社もひしめき成り立っているような部門は、経営コントロールが比較的容易だ。結果として買収の対象になりやすいということになる。そういう面からも2強は盤石と言えるかも知れない。では両社の天下はいつまで続くのだろう。本当に彼らの行く手を阻むものはないのか。