PPRはサンローランを擁するサノフィー・ボーテを買収、その後グッチに同社を買収させることで一大ブランドコングロマリットを構築するという展開を見せたのです。LVMHはこれを株主権利の侵害にあたるとして提訴。まさに抗争勃発という勢いに突入していくのです。続いて99年、ローマを本拠とする世界的な人気ブランド、フェンディの買収をめぐって抗争は第2ラウンドを迎えます。スイスの老舗ジュースープランド、バリーを買収したアメリカのテキサスーパシフィックーグループ、プラダーグループ、グッチーグループ、LVMHグループが熾烈な争奪戦を繰り広げることとなり、様々な憶測や情報が飛び交ったこの買収劇。一時はグッチグループの傘下に入ることが決定したかに見えたんですが、土壇場でLVMHとプラダが結託し劇的な逆転勝利を収めるという、ドラマティックな結末を迎えるんです。グッチ側も黙ってはいません。99年末に予定通りイヴ・サンローランを傘下に収めると同時に、宝飾のブシュロン、靴のセルジオーロッシと手堅い人気ブランドをグループに引き入れたグッチーグループは2000年末、ジバンシイの上任デザイナーでもあるアレキサンダー・マックィーンを引きぬき、第3ラウンドの幕を開けました。怒り心頭に達した(であろう)ジバンシイを抱えるLVMHは、マックィーンによる2001年1月のクチュールと3月のプレタの両コレクションを直前にキャンセルするという報復措置に出ます。2001年10月現在ではグッチーグループは、さらにクロエを手がけていたステラーマッカートニー、業界最注目株のニコラーゲスキェール率いる名門バレンシアガを買収という具合に気鋭のクリエイターを次々に囲い込んでいる状態。次の第4ラウンドを迎える日はそう遠くないと思われます。