20世紀型パラダイムからの決別は、言うは易く、実行するには難しい点がある。というのも、リーン生産方式、ジヤストインタイム生産といっても、マスプロダクションによる見込み生産を、完全に排除できない傾向があるからだ。その好例が、昨年のリーマンショックを境に表面化した、トヨタの北米における過剰在庫と、それによる巨額の赤字である。急に車が売れなくなったため、過剰在庫が生じたのではない。ついつい、シェア競争でGMを追い越そうと見込生産とプッシュ生産をやった結果、あのような事態となったのである。
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トヨタ生産方式の御本尊をもって自他共に任ずるトヨタですら、油断すると、つい規模の経済の虎の尾を踏むことがあるという好例であろう。おそらくトヨタも、先進国市場では今後、昨年の轍を踏むことはないだろうが、問題は、今後急成長が見込める中国や新興国市場である。