正解がないと不安

2011-10-27

日本の教育は、先生が指導して子どもはその答えを求めるという学習が長年続いてきました。子どもたちも、問題を解くときは正解がはっきりしていないと不安なのでしょう。すぐに答えを知りたがります。もちろん、問題が解けたとき、そしてその答えが正解だったとき、しかもその問題が難しかった時はなおさら、その達成感はたまらなくうれしいものです。きちんと正しい答えを求める力をつけることも、間違ったときにどこを間違えたのか、なぜそれを間違えたのかを振り返ることも必要です。そのことはこれからも変わりません。しかし、今はそれだけではないのです。平成16年に千葉県の高校入試「国語」で出題された問題は、千葉県の発表した正答率によると、受験生の約半数が0点だったということが新聞でも報道されました。「おじいさんが、どんな様子なのかひとつ仮定して」という問われ方、つまり、正解かひとつに決まらない問題に戸惑ったことが、0点の原因のひとつではないかと考えられます。この問題では、与えられた地図を読み取り、自分で仮定したおじいさんの様子に配慮し、2通りある公民館までの行き方のどちらかをおじいさんにわかるように案内するということが求められています。おそらく、「公民館までの最短の道を示しなさい」といった問題であれば、「地図の読み取り問題」となり、普段触れている問題に近くなります。しかしこの問題には、自分で仮定したおじいさんの状況に合わせて、「急いでいるようだから、近道を案内する」「体力がなさそうだから、時間がかかるけれども平坦な道を案内する。時間がかかることも伝える」など、どのような配慮をしたのかがわかるように書くことも条件に入っています。多くの子どもができないのは、自分で視点を決めてどちらを案内するか状況を踏まえて判断し、それを表現することのようです。