伊予のみかんの証し【イヨカン】その発祥地はなぜか山口県

2011-01-20

愛媛といえば、「イヨカン」の産地として知られている。イヨカンはみかんの一種で、大きく美しい外見とたっぷりの果汁の甘みで人気を博す。名前の由来は、愛媛で栽培を始めた明治時代、愛媛の古名「伊予」から「伊予みかん」と名づけられたことに始まる。その後「温州みかん」と混同されることから、昭和五年に名称を変更することとなった。一時は「伊予ポンカン」なども候補に挙がったが、結局「イヨカン」と命名され、今日にいたるのである。それから八十年近く、平成十七年度の統計でもイヨカン生産量は愛媛が日本一。しかも、シェア八割を占めるダントツの一位である。こうなればその発祥も当然、愛媛と思うだろう。ところが、イヨカンは山口県発祥の果物なのである。田中諭一郎氏の『日本柑橘図譜下巻』によれば、明治十九年、山口県阿良郡束分村(現在の萩市)で発見されたものが最初である。突然変異で偶然生まれたとされる。愛媛で栽培されるより前の話なので当時の呼び名はもちろん「イヨカン」ではなく、長門地方(山口県の一部)の古名から「穴門蜜柑」と呼ばれていた。本来なら、そのまま山口の穴門蜜柑となるはずだったものだが、松山市の三好保徳氏が原木を購入し、持ち帰ったことから愛媛で発展していくこととなったのである。

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