海外移転が進む毛紡績業

2010-12-18

海外移転が進む毛紡績業にあって、消費市場の動向を強く反映させた商品の企画・開発は、尾州産地全体に広がっている。どのアパレルメーカーの、どのブランドに提案するかを明確にしたうえで、商品企画、デザイン、コストを決定して、そのアパレルメーカーに自社が企画・開発した素材を受け入れてもらおうというテキスタイルメーカーが増えてきた。テキスタイル産地内での自主的なグループ活動や、産地の際を越えた企業間融合の動きが目立ってきた。世界に通用する素材の開発、あるいは新たな分野や販売ルートの開拓をしようとする動きを背景に、新たな素材開発や製品提案が活発化してきた。杭毛紡績大手のS社は九八年、あえて国内工場の増設を行った。その中心は羊毛トップの染色設備である。そこでとった戦略がマーケット・インヘの転換であり、色を消費市場に直接提案しようというものである。