予備校のトイレはいつも俺が掃除している。もちろん俺は、「いいよ」って答えたが、ひと言だけこんな言葉をつけ加えた。「でも、悪いけど女の人がするように座ってやってくれ」そうすると杉浦は不思議そうに、「えっ?でも僕、男ですよ」そう言い返してきた。だから俺は言ったんだ。「そんなのわかってるよ。でもトイレを掃除するのは俺だろ。おまえが掃除するならいいよ。だけどしないだろ。だから座ってやれ」俺はトイレが汚いのがいやだ。と言うか、考えられない。それ以前に、トイレをきれいに使うのは誰にとっても当たり前のことだ。ついでに言えば、俺はトイレのフタも必ず閉める。これは俺の習慣だから他の人にもどうこう言えるものでもないけど。他にだって、まだある。字が汚ければ丁寧に書きなおしさせる。消しゴムのかすは下に捨てさせない。捨てれば指で拾わせる。無駄な電気は消させる。メシについても、いくら食べても構わないが、ガツガツ食べさせない、食べながらヒジをつかない。