エージェントが不在のシステムゆえ、著者も、長編はA社、軽いエッセイはB社、短編集はC社と使い分けたり、各社の編集者がみんなで売れっ子作家の鞄持ちを分担する。だから著者にとっても、電子版権を別の出版社や制作会社に売ったり、自分で出すことが特定の出版社への裏切りになるという感覚が希薄だと思われる。私の知る限りアメリカ、そしてヨーロッパでは、基本的に一人の著者にはその国の担当エージェントが一人、著作はすべて一社から、担当編集者も一人、というのが原則だ最初は鳴かず飛ばずでも、いつか才能が花開いてブレイクすれば、いっしょに苦労して作ってきたバックリストの本も売れるだろうという将来を信じるからこそ、出版社は長く著者にコミットできる。